2004年03月08日 (月)
いらっしゃい *番外編
「ラフカイ、食うかな〜」
パリパリとドングリの皮を剥きながら、田中さんが言う。
え? と思う間もなく、ドングリの中身はラフカイのお口の中へ・・・。
二月末の、裏山ハイキングでのこと。
世界広しといえど、ドングリを食べる犬というのは、そういないんじゃないか。
そういえば、お正月の裏山キャンプでも、ラフカイはピーナッツをもりもり食べていた。
ピーナッツをもりもり・・・というのも変な表現だが、それくらい見事な食欲だった。
次から次へ、田中さんが投げるピーナッツを、口でキャッチして食べちゃうのだ。
うーん、こんな犬も、やはり日本では見ないぞ。
しかも、田中さんの「投げたフリ作戦」にひっかかり、あるはずのない
ピーナッツを必死に探し回る姿は、なんともおちゃめであった。

裏山の尾根にてラフカイと3人で
森へ入ると、木の枝をくわえ、おおはじゃぎで走り出すラフカイ。
遊び疲れて喉が渇いたら、ちゃっかり一人だけ、木のうろの雨水で喉を潤しているラフカイ。
「ラフカイの肉球ってね、落ち葉の匂いがするんだよ。ほら、いい匂い〜!」
千恵さんの言葉を思い出す。
ラフカイは、森と、木と、草花と、一体という気がする。
お正月にはだんまりだったドングリたちも、いつの間にか芽を出し、根を張り始めていた。もう、裏山には春が来ていた。そうだ、もうすぐ山菜の季節なんだなぁ。
醍醐へ来ると、日本でも(というか、東京でも)、自然の恵みは豊かなんだと感じ、全身でほっとする。
ラフカイは、その証人みたいに思える。
小屋に顔を出すと、ラフカイが「いらっしゃーい!」と迎えてくれる。
それでやっと、森の仲間に入れてもらえる。そんな気がする。ラフカイ、いつもありがとう。
これからも、「いらっしゃい」をよろしくね!
児童書編集者 山口郁子
↑Top | 文:菊地千恵